報告はなぜ必要か?また、報告は誰に行い・・・・

かっちゃん

2008年04月27日 02:36

プロフェッショナルとして仕事をやっている方々には、今更大変恐縮なお話ですが。

いや、先日、新人研修を行っていて、私が新人の皆さんにお話したことが、「報告」のお話でした。

弊社は、現在、8社のソフトウエア開発企業(SI事業者)様から合計17人の新人をお預かりして、4月2日から5月27日までの約2ヶ月間、研修を行っています。

20代前半の新人の皆さんが、現在一生懸命に「新入社員としての挨拶の方法」から「ソフトウエア開発技法・プロジェクトマネジメント、コミュニケーション・ネゴシエーションの習得」まで勉強しておられます。

私も二十数年前、三菱電機で新人研修を受けたときに、同じような研修を受けましたから、その当時を思い出します。まさか、二十数年後に自分の会社が、逆に新人研修を行う側に立つとは、その当時は当然思いもよらなかったわけですが。

さて、研修の間は新人の皆さんに日報を書いてもらっています。

そこで、私は皆さんの日報をチェックするわけです。

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

うーん・・・・・

これがなかなかのフラストレーション。

皆さん、日報がうまく書けていません。誤字脱字、漢字で書くべきところがひらがな。こういう日報ばかり見ると、本当にこちらが情けなくなってきます。本当に、もうがっかり。なんで、こんな日報を出して恥ずかしくもなく、平々としていられるのか。

そもそも何のために日報を書くのか、その目的がわかっていません。したがって前の記事ではないですが、彼らに「気づき」を得てもらわなければなりません。が、ここではそんな時間もないので、私の方から彼らに短いフィードバック代わりに、簡単な手短な講義をしました。

さて、皆さんはお分かりですよね。

何のために、何故報告を行うのか、そして誰に報告し、どのように報告すべきか?

これは仕事のいろはなんですが、これがなかなかできない人も多い。新人だけでなく、かなりの中堅、ベテランでも報告ができない。報告ができなければ仕事はできません。

報告を行う目的、それは、仕事の流れの基本である、PDCAを円滑に回していくためです。

え?PDCAって?

これがもしわからない方がいらっしゃったら、もう一度仕事の基本を一から勉強すべきでしょう!あなたがやっている仕事はすくなくともプロフェッショナルな仕事になっていません。アマチュアの仕事です。

P(Plan)  ・・・・計画
D(Do)   ・・・・実行
C(Check) ・・・・チェック
A(Action) ・・・・修正もしくは対応

仕事は、計画し計画に基づいて実行し、その結果をチェックし修正・対応する。
これが、仕事の基本の流れです。

そして、この基本の流れの中で、報告は必須です。報告がなければ、PDCAは円滑に回りません。即ち、仕事は進みません。

では報告は誰に対して行うのか?

それは、もちろん上司および自分の仕事に関係する関係者(プロジェクトメンバー)に対してです。あなたの報告によって、あなたのPDCAの状況が把握できます。仕事は自分ひとりで行うものではありません。あなたの周りの人々と共同で行います。たとえ単独で仕事を行う場合でも、あなたの仕事に関連ある方はいます。それは顧客であったり、取引先であったり。

したがって報告はとても重要です。

そして、報告を行うべき対象にもう一人、隠れた存在があります。

それは、自分です。

報告は上司や関係者だけでなく、自分に対しても行っています。

即ち、自分のことや自分の状態は、自分自身が一番よくわかっていないということ。

報告書によって、自分の現状が分析できます。報告書を書かなければ、自分の現状を正確に分析して把握することは難しい。

報告書は、自分の見える化を行います。このことによって、自己と自分の周囲の人々が共通の情報を持ちえます。

PDCAのCの部分。Checkはこういった作業をベースに進みます。

そして報告をもとに、周囲の人々に連絡し相談がなされ・・・これが報告・連絡・相談、すなわち報連相(ほうれんそう)を通して、PDCAのA、Actionがとられるわけです。

最後に、どのように報告するか。

これは、これまでの話が真の意味で理解されていれば、おのずと分かります。

PDCAはできる限りスピーディーに行わなければなりません。迅速に、です。少しでも早く行うことが、会社の収益向上につながります。すなわち、利益につながります。

PDCAのベースに報告があり、その流れをスピーディーにするには、報告書は、正確に、そして、わかりやすく、誰が見ても一目で現状認識ができ、アクションがとれるような書き方になっていなければなりません。そうしなければ、利益につながらないのです。

したがって、情緒的な文章ではなく、簡潔に箇条書きで書かれていなければなりません。また、枚数もできる限りA41枚。何枚にもまたがった報告書はろくなもんではありません。仕事ができる人ほど報告書は簡潔であり、どんな複雑な内容もA41枚に納める技術が必要です。

ということで、私は先日、新人の皆さんに対して、以上のようなことをお話しました。

少しは理解してもらえたでしょうか?まあ、また何度でも同じことは言いますけどね。

頑固爺と毛嫌いされても言いますからね。覚悟しておくように。よ・ろ・し・く。

関連記事