死刑台のエレベーターとマイルス
ちょっと時間ができたので、久しぶりにJAZZと映画の世界を。
皆さんは、「死刑台のエレベーター」という映画はご存知でしょうか?
もちろん、超有名な映画なので、ご存知の方は十分に知っていらっしゃるでしょう。
フランスのルイ・マル監督の作品で、「ヌーヴェル・バーグ」という1950年代の「新しい映像表現」の動きの中で生まれた1957年の傑作です。
映画の内容やプロットは、他のHPやブログでご確認ください。
http://www6.plala.or.jp/khx52b/movie/file_s/si0005.html
ジャンヌ・モローの、いかにもフランス人女性がもっているアンニュイな香り(といっても私はフランス人女性を知っているわけではない・・・・・えっ、本当に・・・・・ゼッタイにない)倦怠感がいいムードを漂わせています。
当時弱冠25歳のルイ・マル監督の天才ぶり、そして、それに呼応した、私が生涯愛してやまないマイルス・デイビスの超天才的な即興演奏。
2人の超天才が、まず出会うことなどありえないであろう奇跡が起きたことによって、この映画が作られています。
まずルイ・マルがマイルスのファンだったこと。予算がなかったことによって、マイルスに映画を見てもらって、その場で吹いてもらって録音したものを使っていること。
2人の共同作業が実現するとすれば、まさにそれしかなかったことが、逆に、潤沢予算で準備万端で製作すれば、まず起こりえなかった奇跡をこの映画にもたらしました。
「死刑台のエレベーター」、この映画からマイルスの即興演奏がなくなったら・・・・考えただけでもぞっとします。その場合、まず間違いなく興行的ヒットはなかったであろうし、その後の「ヌーヴェル・バーグ」の名作が生まれていくきっかけにはなりえなかったと思うと、マイルスの存在が、単なるJAZZミュージシャンという範疇を遥かに超えた存在であることがよーくわかる一品です。
映画における音楽の役割が、その映像に比肩するだけのものであることを、世に知らしめた、歴史的作品だと思います。
皆さんも、真夏のけだるさがまだまだ残っている一夜に、ぜひクーラーを止めて、扇風機だけで、ほてった体を冷やしながら、この映像と音楽の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
お勧めします。では
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