中原中也 Ⅱ
中原中也 Ⅰ →
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ちょっと、IT系の話が続いたので、舵をぐぐっと右旋回させて、なぜか中原中也第二弾です。
若きころの彼の実験的詩です。ダダイズムの影響を大きく受けた詩。
「ダダ音楽の歌詞」
ウハキはハミガキ
ウハバミはウロコ
太陽が落ちて
太陽の世界が始まつた
テツポーは戸袋
ヒヨータンはキンチヤク
太陽が上つて
夜の世界が始つた
オハグロは妖怪
下痢はトブクロ
レイメイと日暮が直径を描いて
ダダの世界が始つた
(それを釈迦が眺めて
それをキリストが感心する)
詩の意味は、と尋ねても、これはその質問そのものが無意味になります。
日常的価値の大転換を求めようとして、若気の至りがたっぷりとする、小生意気な中也がそこにいます。ただ、この中也はただの小生意気な若造ではなく、何かしら使っている単語の語感のみずみずしさ、そしてその後の中也が辿る不条理な暗闇も予感しうるものとなっています。
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